しきりなおし

■だんだんアクセスが増えてきた…。困ったなあ。まあいいか。皆様アクセスありがとうございます。月夜埜綺譚持っている方、遊んでください、プレイレポート見せてください、あなたのためならコンベンションでも開いて見せます、ってそういうはなしじゃないですね。

■というわけで、ちょっと仕切り直しもかねて、使っている言葉の定義を整理してみる。

TRPG
あえて省略。
システム
世界から具体的ルーリング、マスタリング作法、シナリオ記法までふくめた全体的な意味でのTRPGシステムを指す。
ルール
システムのうちから、具体的、ないしは暗然的な処理系を指す言葉
世界
狭義では、システムのうち具体的ルールを持たない、しかしプレイする際に創造的制約となりうる背景世界情報。広義では、システム全体を切り出すために必要となる背景・基盤。時々混ぜて使ってる…。すまんです。
物語
人が他人に話す「嘘話」で、ある程度の感情やパッションを共有可能にするもの。はじまり、おわり、一貫したキャラクター・世界、葛藤、リズムなどの様々な制約を持つ。
すばらしいストーリーとやら
物語の制約をいくらか持つか含まれるように見せかけて、他人と共有しようという努力や試みの足りない物語風の何か。TRPGでへたに物語やろうとすると陥る罠。
制約
広義のルール。ここでは、物語が物語であるための制限事項をとりまとめたもの、として書かれることが多い。創作とは、広大無辺な世界から制約と制約の幅をある程度見つけ出していくことにキモがあると考えるが、そんなムツカシイことしなくても、TRPGに制約を代行させたり、古今東西の物語の文脈を研究したりすれば物語出来ちゃうかもー、てなものでもある。
葛藤
諸事情あって、簡単に結論を決められないもろもろ。その人物の信条や歴史・事件など様々な条件が相反し、マイナスを覚悟した上で選び取るか、より大きなルールを創発してどっちもゲットできる内容に書き換えてしまうか、をせまられる様々な案件。わりといーかげんに使ってしまっていてもうしわけないのだが、どちらかというと演劇よりの用法で使っている。物語の大きな制約の中に、この葛藤があるリズムを持って発生し、敗れたり克服したりしながら、次第に高次の葛藤へと発展していく、というものがある。
リズム
リズムはリズムであるが、まあいろいろ。音韻、鼓動、くりかえす行為判定のタイミングによる共有されるリズム、世界における円環的時間・四季のめぐり・日のめぐり、その他諸々。小さなリズム、大きなリズム、短いリズム、長いリズム、それらの重なり、繰り返し、相克、破調。物語において、そしてTRPGにおいてもっとも大切な何か。五大にみな響きあり*1、てなもんさ。
始まりと終わり
物語やTRPGをリアルから遠ざけ、故に共有可能な物にするための舞台設定。
一貫したキャラクター・世界
様々な状況でも、その人やその場所が同じ場所であることを共有できる、設定その他。これも、リアルじゃないお約束、の類である。
ブレイクスルー
プレイヤーキャラクターに与えられた課題・障害・葛藤を、プレイヤーが描こうとする物語の都合で超法規的に解決する手段のこと。あまたのヒーローポイントや、神業、月夜埜綺譚のレイズなどがこれに該当する。“お約束”の中に物語を固定しようとするルールとして忌避する向きも多いのだが、本来的には、これはセッションを崩壊させずかつ吟遊詩人マスタリングへの防壁となることを目指したルールなんだと思う。もっともプレイヤーが共有不能な手前勝手なすばらしいストーリーとやらを主張し始めたりするとややこしいことになる諸刃の剣。手段をすっとばせるぶん、「〜できてどうするか?」「〜を何のために行うのか」あたりでプレイヤーのクリエイティビティを必要とし、実はプレイヤーにこそ負担の大きな(きちんと機能すればマスターが楽になる)ルールなのだが、そういう類の言説はそんなに見ない。なんでだろ。
物語やるTRPG
TRPGのなかで、物語の持つ一般的法則・創造的制約をシステムが代行し、プレイヤーとマスターが一緒にセッションで物語を発見していこうとすることが容易となるTRPGシステムのこと。ダンジョンとかシティとかの区別とは関係ない。
TRPG論考みたいな
私め「はるを」が、次期システム街系少女漫画伝奇ロマン「シティライツ」や、「月夜埜綺譚Ver.1.2」などを製作するため始められ、物語やるTRPGとはなにかを物語の仕組みの側面から分解していくと面白そうなルールができそーじゃん?、という思考で続く製作メモ。システムを作る、という具体的な目標以外は割とどーでもいい*2というのがある意味さわやか(?)である。基本的にはTRPGを作ろうという酔狂人向けのせまーいコンテンツ。最近アクセスが多いのは、みんなTRPGを作りたいんだろうか…?

■また思いついたら整理しよう。と思った。

*1:世界の全てのうちにはリズムがある、みたいな仏教用語

*2:マナーやTRPGをめぐる人間関係、プレイヤー・マスターの技術向上、業界事情、あと僕的につまらない諸々、にはあえて言及しないことにしている。もっともそれらにシステムがどう貢献できるか、については触れていきたいけれど。