lainとふたご姫

■同居人が「ふしぎ星のふたご姫」1巻を買いました。僕はそのころ「serial experiments lain」の廉価版ボックスを買っていました。新宿で売り切れてたから、秋葉原まで行って買ってきました! 秋葉原に行ったら適当に入った一軒目の店に普通に売ってました! ヲタクリミッター解放な一日でした。で、見ました。

serial experiments lain TV-BOX [DVD]

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■「serial experiments lain」については、とりあえず言葉を重ねるのもあれなので。でもかつて7万くらいしたような気がするボックスが、1万2千円で売ってていいんですか、まあ買うけど、とは思いました。いちおうちょっと見ましたが、相変わらず切なく美しいオープニング。そして圧倒的な“音”でした。電柱のトランスが“鳴く”って知ってました? 雨の日に送電線の碍子がどんな音を立てるか。人気のないニュータウンにはどういう種類の静寂が漂うか。そういう“音”の演出がいちいち街系的に神がかっていて、もうそれだけでも満足。
ふしぎ星の☆ふたご姫 1 [DVD]

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■「ふしぎ星のふたご姫」。僕は最近になって見始めたのでよく知らなかったんですが、1話からみて、やはり良質のちゃんとした子ども向けアニメであることを再確認。しかし“心根の暗さ・絶望に満ちた世界で、明るく楽しく”っぷりは想像を遙かに超えていました。これぞ王道。これぞおとぎ話。ああ、対象年代の時に見たかった! でも今見てもいいなあ。


■「ふたご姫」を見ながらなんとなく指輪物語を思い出していました。なぜ一つの指輪がホビット族に託されたのか。…なぜ世界を救うという“プロミネンス”の力がのーてんきでふしぎ星史上最もプリンセスらしくないプリンセスに託されなければならなかったのか。明るく楽しく善良ででも世間知らずな二人は、実は否応なく世界存亡の危機の中心にいます。そしてそのことを明かすことも許されないまま、本人たちも気づかないままに、本来背負えるはずもない重みを背負わされています。そんな彼女たちに託された使命は、小さな善を積み重ねること。困っている人を助ける。つらい思いをしている人を支える。誰かが誰かに抱いている思いを、伝えるほんのささやかな助力となる。彼女たちがそのお人好しと持ち前のキャラでそんな人々の思いを繋げていくなかで、しかし危機はどんどん姿を現していきます。そのうえこの世界に住むのは当然のように善良な人ばかりではありません。本来善良であるはずの人の心の暗闇さえ、物語は様々に浮き彫りにしていくのです。彼女たちは世界を救うことができるのか、そして世界を救うというのはどういうことなのか…

■それにしても、絶対スタッフにかなりSFよりの人がいる作品だなあ、とかも思ってます。つーわけで、上とは全く違う紹介文を書いてみよう!

■地球を出発して数千年。…世代型恒星間宇宙船「ふしぎ星」は今存亡の危機にあった。ふしぎ星全体を支える量子パワージェネレータである“おひさまのくに”が原因不明の出力低下を起こしていたのだ。そのためメインコンピュータに人格を封印していた非常システム“プリンセス・グロリア”が起動。“おひさまのくに”の管理者一族の末裔であるプリンセス・ファインとプリンセス・レインの二人に、本来「ふしぎ星」の住人には与えてはならないことになっている、“おひさまのくに”への強力なアクセス権限“プロミネンス”とサポート役のエージェント“プーモ”を授けたのだ。ちなみに“プロミネンス”は“おひさまのくに”の主出力の一部をアクセス権限者によって方向付け、状況因子転換を行う強力な機能であり、それを一住民に与えるなど船を救うという目的でしか許されない例外措置である。しかもその制御は困難を極め、純粋で強い願いと安定した思慮深い人格、という全く相反する個性を会得しなければ完全な機能を発揮することができない。

…二人に与えられた使命は、小さな善を行いよき姫君≒プロミネンスオペレータに成長すること。そして世界が危機にあることを誰にも明かさぬこと。二人は小さな善を行っていく過程で、メインコンピュータでは把握することが難しいミクロレベルの、しかし相互作用により結果としてシステム全体に大きなマイナス影響を与える、様々な要素を解決していくこととなった。それは舞踏会に踏み出せない引っ込み思案の少女であったり、素直になれない人々の様々なすれ違いであったりしたのだが…。

…しかし、すでに“おひさまのくに”の出力レベルは危機的な値を示している。トゥルース国王をはじめとした“おひさまのくに”運営スタッフは死力を尽くしているが、まだ具体的な打開策は生まれていない。さらにその影響で、居住ユニットの熱エネルギー循環と推進系を管理する“めらめらのくに”、生命維持システムでももっとも重要な大気循環を管轄する“かざぐるまのくに”で相次ぐシステム異常が起きていたり、航法管制を行う“おつきさまのくに”などでも機能不全によるトラブルが頻発していた。そのうえ「ふしぎ星」コロニー内の政治状況はかつてない混沌を示しており、あろうことか星を救うために授けられた“プロミネンス”を狙うものまで現れる始末。

…“おひさまのくに”が完全に機能停止するまであと一年。果たしてふたりの姫君はそれまでに“プロミネンス”を完全にマスターすることができるのか。そして“ふしぎ星”を救うことができるのか。その運命は、ふしぎ星史上もっともプリンセスらしくないプリンセスと呼ばれた二人の双肩にかかっている!
 今、ひとつの世界の存亡をかけた壮大な物語が始まる…。
「ゆるゆる〜とみてみて〜」*1

*1:えー、この台詞は次回予告の時の決めぜりふというやつです。ところで心の遠い奥底で、ふしぎ星TRPG作ったら…という邪悪な念が2秒ほど浮かんで、消えていきました(w