ヲタな話・メジャーな話・マイナーな話
■とりあえず今期は、「おねがいマイメロディ」と「ふしぎ星のふたご姫」をチェックしていたりする。自分がアニメヲタクなのかどうかはいまいちよくわかんないのだけど、いつの間にか子ども向けアニメというジャンルの作品しか受け付けなくなりつつあったりもする*1。
■マイメロディの方は、サンリオの皮をかぶったヲタクアニメだが、*2スタッフが自覚的に振りまく心根の暗さが実に心地いい。単なるヲタクアニメに見せかけて、さらにひねって“心根と世界観はリアルと絶望をこめて暗く、けれど明るく楽しく”というエンタテイメントの王道を突き進んでいるのだろう、と勝手に思ってみている。萌えヲタたちが驚喜したクロミちゃんの擬人化回で、ああ、人の願いを叶える魔法は、畢竟、自らの暗闇をのぞき込むことに他ならないのですね、そうですね、とあまりの切なさに泣きそうになっていた自分がいたりした*3。
■ふたご姫は、イマドキ珍しい普通の子ども向けアニメである。しかし普通のアニメを作れる人が佐藤純一くらいしかいないらしく、今のアニメシーンにおいては実に珍しい作品でもある。子どもの心をつかむ物語展開で、ときには教条的になりつつも、おもちゃをしっかり売りさばき(w、しかもしかも主要ターゲットではないヲタクのハートまでわしづかみにするように設計されてすらいる(w もう職人技である。しかし物事には人の心には表と裏があり、人が誰しも善意ばかりで生きられるわけではないことを、子どもをメインターゲットにしてこんなにちゃんと書く作品もやっぱり珍しい*4。悪い人なんて誰もいなくなって、悲劇は起きるんである。そしてささやかな痛みとともに描かれる、女の子らしい“秘密”。いい作品です。*5
■いきなりなんでこんな話かというと*6とあるブログを読んでいて、TRPGをするメインの階層の趣味ってなんじゃろか、と思ってしまったからなのだった。
■TRPGをやっておられる諸氏のご趣味を、たとえば売っているシステムのメインターゲットで判断する限り、ヲタクである僕もさして真ん中へんにいないことは明らかである。*7実際TRPG系ブログなんかで話に出る小説をあんまり読んでいなかったりするし、ミリタリーもよくわかんない。*8まあ全体的にヲタクな話についていけないほど遠いわけでもないし、この程度の距離で疎外感を感じるほどでもないのだけど、正直、やりたいシステムがなかなか見つからないことはよく感じていた。
■で、作っちゃったのだ(w …そのうちTRPGに飽きて遠ざかる日も来るのかも知れないが、なんとなくその日まではこういうスタンスで押し切ってしまいそうな気のする昨今である。
■まあもっとも、僕が一番べらべらべらべらしゃべりだしてしまう街の話は、やっぱりここのメインターゲット層とは違う位置にあるんだろうな。これは一生もの確定済みだから、それはそれでいんだろうけど。でも、TRPGをやるいろんな人たちに街を見る目を持つ人が一人でも増えたらいいな、と思う夜もある。
■実は、完売記念セッションのシナリオは、街系つっぱしりますんでよろしく、という話し(?)。
*1:ちなみに「ヤダモン」「serial experiments lain」「ナースエンジェルりりかSOS」の3作品については、危険なほどはまった過去がある。この3作品ならいくらでも語れます。次点は「あんみつ姫」と「スプーンおばさん」。あ、あとジブリアニメの“背景”限定ならいくらでも語れます。あとはよく覚えてない。
*3:月夜埜綺譚でも大きく扱ってるのだけど、人の願いを叶える、という状況の切なさというのはいかんともしがたく引きつけられるものがある。しかしまあこの回、萌えヲタ様たちの驚喜にもむりからん美少女ぶりであったことも確かではあった。
*4:そして「普通」だ。
*5:そういえばこの作品で描かれる魔法である“プロミネンス”も、ふたごの思いを叶える何かだったね。
*6:まぁわしもヲタクなんじゃぁ、ちょいかたよっちゃおるがのぉ、という信仰告白でもあるのだが(w それはおいておこう。
*7:ま、しいて言うと、月夜埜綺譚なんかは「伝奇」系流行の階層にいるような気もしないでもないけれども。ブギーポップは嫌いじゃないし、空の境界も読んだけどね。
*8:重松清作品を参考文献にあげるTRPGが他に出たら絶対買うんだけどなあ。神林長平でもいいけど。あと、ラストバトルでなんとなく物事を解決する形式は「だから失われた世代(70年代中盤生まれに対して一部の人が使う呼称。ジャンプで育ってドラマツルギーが貧弱なんだってさ。バブルで育って就職適齢期でバブル崩壊とかさ)っていわれるんじゃー」という鬱屈があるので、微妙にやりにくいんだよな。