ダブルクロス(2版)初プレイ

*1

■前から興味があったので、ちょっと機会を作れたのでやってみた。ちなみにプレイする前の「ダブルクロス」のイメージはこんな感じ。

  • 現代ものらしい。
  • PCはみんな手からビーム(および類似品)*2が出るらしい。
  • 「ラスボス」が常にいて「最強の手からビーム」で倒す、ということでセッションが終了するらしい。
  • しかし友達を大事にしないと終了後に化け物になるらしい。
  • 友達は基本的には手からビームが出る人種が嫌いな人が多いらしい。
  • 怖い人たち*3のゲームだ。
  • 異能者組織の暗闘と、守るべき日常、とだけ書くと、けっこう月夜埜綺譚に似てるじゃん。同系列なシステムなのかしら。

…で、もうちょっとルールブックを読んでみて。

  • んー。ルールブックの編集は悪いなぁ。つーか索引で、一番みたいページがヒットせずに枝葉のページばっかり参照させられるのはどうにかならないのか? あと漫画、無駄。あのくらい書ける人使うんなら、もっとうまい使い方はいくらでもあるだろうに。せめて、一般行為と戦闘の基本とロイス・タイタスの扱いくらいは漫画化してほしかったなぁ。まあそんなにムツカシイルールではないのだが。
  • エンジェルハイロゥ萌え。これぞまさに手からビーム! エンジェルハイロゥ・ハヌマーンか、いや。ノイマンも、モルフェウスも、オルクスもなかなかいいなぁ。とりあえずエンジェルハイロゥとの組み合わせで。
  • K市って、日野市かよ! 浅川河畔*4かよ! 多摩エリア人がデザイナーなのか?*5 ということは国際環境大学って…
  • じゃなくて。
  • とりあえず、変身する化け物の互助会に入って、化け物のテロリストから、主に自分の日常を守ればよいのだね。ただ(サンプルシナリオを見ると)基本的に、そうしているうちにいやな目に遭ってしまうようだ。
  • ロイスとの関係にストーリー的な葛藤が生じるルールらしい。しかしロイス周りのランダム表、面白いな。かなり笑える≒人間味にあふれたシチュエーションを量産できる。RoC*6でやるなんてもったいない。ダイス振れ!(笑) しかしさすがこういうのうまいなあ。もっと見たいけど、サプリメントにはこういうのがもっとたくさんあるのかな?
  • 情報収集や交渉のルールがほとんど見あたらないのだが、このあたりは無法地帯なのだろうか。
  • 1d10をたくさんふるのか…ちょい大変かも。

(長い前置きだ。)

■そんなわけでやってみた。マスターはわし。プレイヤーは二人だったので、サンプルキャラクターの“不確定な切り札”オサム君と、“白き閃光”ミズキさん。シナリオはルールブック所収の「砕かれた絆」。全員初めてのシステムでやるなんて、高校生の時以来かもね*7、と笑いながらセッション開始。以下ネタバレ。

セッション風景

■オープニング。「おぉ! これが「PC1」か!」とか一堂新鮮な驚きに包まれながら、個別導入にはいる*8。とりあえず無法地帯でオサム君が死亡。そこに駆けつけたミズキさんの振りで、UGN支部幹部を登場させることに。とりあえず僕らのUGN日野支部*9は、結構感じの悪い正義の味方、というふうになった。よい。

ガントレットという化け物に襲われて、オサムくん覚醒。えーっと、まだまだマスター側からのオートイベントが進んでいくことに、一堂、新鮮な驚きに包まれる。とりあえず敵キャラが幼なじみの兄であることと、幼なじみがオサムくんラブなことと、オサムくんが化け物であることが明らかに。で、監視命令を受けたミズキさんが、合流。

■リサーチフェイズ。ここでやっと「ではみなさん、次はどうしますか?」。でもうまい進行管理を思いつかなかったので、月夜埜綺譚式に1ターン8時間として順番に宣言してもらうことに。もっとも「ダブルクロス」なので、シーンの途中で任意に参入できる。シナリオに「全部情報が集まったら」と書いてあったので、とりあえず全部のフラグが立つまで調査させた。しかしさすがは月夜埜綺譚に慣れた連中である。ほとんど自分で動かずに、人にばっか調べさせていた。おかげで、彼らのスキルでは手に入りにくそうな情報もぽんぽんと渡せたのだけれど。なにやら洗脳・むりやり覚醒の手順を踏むあやしいテロリストがいるらしい、ってのと、オサムくんが幼なじみにもらったコインが、怪しい超兵器であることがわかる。

■テロリスト登場。またもやオートイベントなスタートに、一堂、ある意味驚愕する。君たちも仲間になろう! と、怪しい自己啓発セミナー系の口調でテロリストにしゃべらせると結構受けた。でもシナリオもそんな感じだよね。まあ交渉は決裂。単なる無秩序にあこがれるほど僕らも子どもじゃない(笑)。で、さらわれていた妹ちゃんと引き替えに、コインをかけた戦いをやろうと打診される。二つ返事で即答した二人は、直後にUGNに根回し開始。強力なNPCを動員して、露払いをさせることを承諾させる。*10

■決闘。とりあえず幼なじみ兄と戦う羽目に。自己啓発セミナーと麻薬で頭イカレタ感じににこにこと演じつつ、繰り出す攻撃はシリアス、という感じのキャラ立てにすると、プレイヤーたちが躊躇なく「殺すしかないんだろうな」に移行して、戦闘に。ミズキさんが一撃で瀕死になるが、後の必殺技二発でとりあえず殺害に成功。しかし妹ちゃんが恐慌状態になる。

■いかにも自己啓発セミナーの教祖然を崩さないままラスボスと決闘。しかしコンボ攻撃を覚えた二人に瞬殺された。えーっと、戦闘シーンのルーリングあってるよね? ダイスも炸裂してたけどさ……。そして最後まで自己啓発セミナーらしく、被害者ぶった言葉を吐かせてラスボス退場。ちなみに二人とも浸食率は80パーセントくらいだった。

■で、全てを忘れた妹ちゃん、という後日談。

感想

■遊び方あってますかねえ?(笑) 以下、そこででてきた感想。

ロイス面白い。でもロイス生かせないと全然つまんねー
みなロイスに面白そうな鉱脈を発見した模様。しかしそのためには、ロイスを各キャラクターで組んでからシナリオを組む必要がありそうだと各人思う。またロイスの運用が、浸食率の引き下げとタイタスまわり以外には、ほとんど無法地帯で行わなければならないあたりが、正直めんどうと感じられた。
進行管理系が薄いので面倒
まあ最近、進行管理系リッチなゲームでしか遊んでないからなあ(笑)。でも登場のルールはみんな意識もせずに普通に使えていましたが。
戦闘が思ったより盛り上がらなかったね。ルール間違ったかな?
一撃が大きいので、最初からパワー全開でぶっ殺すしかないのが、リアルっぽいが、今いちだという共通認識。案外、戦闘のバランスがムツカシイルールなのかも知れない。
リサーチフェイズのフラグ立てって微妙
これはシナリオの問題かもだけど、このやり方だとリサーチフェイズって特にいらないよね。情報収集→物語の提案と一気に派生できるタイプのルールでないから、というか。情報収集とロイスをもっと積極的に絡ませるシナリオ作ると、生きてきそうだな。
やっぱりd10いっぱいはしんどい
これもみんな共通でした。
シナリオ記法は賛否両論
これだけかっちりやってるとみんな遊べるよね、という意見がある一方で、僕なんかは、こんな記法のシナリオを作ることを毎回求められるのは正直しんどいなあ、と答えた。SSSでやるならいいかもしれない。
説得は無法地帯なの?
実は兄と戦わずに説得も試みたかったのだが、ルール上無理そうと感じたので、という話も出た。説得というのは容易にストーリーを分岐し、難しくなるから省略! ということなんだろうか。
シナリオをやはり作らねばならないか
これは僕の個人的な感想。今度は先行キャラメイク、自作シナリオでセッションしてみれば、もうちょっとわかるかも知れない。ただこの数のマスターシーンはできないから、ミニゲーム作って云々って感じになるんだろうな。
時間短い! すごい!
すごい。

■…終わった後、ひたすらシステムについての批評が始まったのはさすがは類友でありました。まあ全般的にはちょっと大人げが足りないシナリオにややご不満気味だったらしい。それにしても僕らがやってるTRPGとはずいぶん違っていて、興味深い体験でした。アフターセッションは、いつのまにか月夜埜綺譚と次期システム「シティライツ」の話題となり…

■その後、横田基地で友好祭を見て解散。F15は飛ばなかったけど、アパッチの曲芸飛行が見られたのでちょっと面白かった。それにしてもあのステーキ。まだまだぬるすぎ。もっと堅く! もっと塩辛く! もっと多く! もっと横田基地の神髄を見せてほしい(笑)。そんな日でした。

■遊んでくれた皆さん、ありがとう。

*1:「あこげ」とは、えーっと詳しい解説を省くが、アナログゲームとかアンプラグドゲームとか、いろいろ言われている、ボードゲームやカードゲーム、TRPGなどを包含した卓上ゲーム一般のこと。一般的な言葉ではない。いろんなことを期待してくる人への検索よけ、ということでもないんだが、まあいいや。

*2:いわゆる攻撃型の異能・魔法を、手からビーム、と呼んでいる。別に馬鹿にしているわけではなく、習慣的な用法。ただ少し緊張感が欠けるような印象を感じられたなら、それはそう的はずれではない。生きていくことは、手からビームが出るくらいで何とかなるものではない。たとえばこの「ダブルクロス」であっても。…みたいなことをたまに考える悪い癖があるのは否めないから。

*3:FEAR社を表す隠喩。別に怖がっているわけでなく、会社の設立の時に菊池たけし氏がやたら「怖い」という言葉を連発していたことから、ついつい今でもこう呼んでしまう。あっはっは。…十把ひとくくりにはできないが、わりかしかつかつの戦闘と、SSSなどによって提供される物語性が強い(とされている)シナリオをやるゲームが多い、というイメージがある。

*4:もちろん多摩川の支流の浅川である。言うまでもなく浅川河畔スタジオ主催のはるをは前住んでいたので日野市には詳しい。

*5:実際どうなの?

*6:ダイスふっても選んでもいいよ、という表。怖い人たちのゲームによく出てくるお家芸。表のできがよくなるほど、ダイスを振る人が増えるんじゃないか、という勝手なイメージがある。

*7:月夜埜綺譚のテストプレイはのぞくが、と内心つっこんだ。しかし自分が作ったんじゃないシナリオをやるのは、えーーーーーっと…。15年ぶりくらい?

*8:とかいって自分だってハンドアウト作ってPC枠みたいなことをしないこともないんだが(笑)。

*9:そのころ、マスターである僕は、すでにK市という呼称は使っていなかった。

*10:月夜埜綺譚に慣れた連中は本当に人使いが荒い(笑)。人使いが荒い人間が強い、ってゲームだからかな、割と(笑)。政府や警察を動員できるようになって一人前だ!