玉川上水末端部をたらり

 新宿新都心の「どっかーん」とした感じの摩天楼を、みょーにみょーにえぐっているそのビルの谷間は、やっぱり何度歩いても面白い。カリソメとしても水道用地であり、カリソメとしてもその旧跡として何らかの保存圧力がかかるのだろう。ま、もともと公用地だったから用途が動かなかったというのが正解かもしれないけどね。ともあれ知らない人が見たら、そして違和感に気づくタイプの人が見たら「なんでこんな変な角度で道が通っているんだろう。しかも歩道」とか思うんじゃないかな。街マニヤを名乗るなら周囲を見回して、その道があたりの一番の高台を縫うように走っていることにも気づいて欲しいところだ。(名乗らなくていいです。)

 現在の新宿新都心があった旧淀橋浄水場へ水を運ぶのがその最後の仕事だった。もっとも最後のほうはパイプラインにだいぶ置き換えられたらしいけども。

 末端部は、あの「清流化事業」による下水も流れてなくて、ごく一部にある開口部にはちょろちょろと綺麗な水が流れている。実は暗渠の上を歩くのはなんだか苦手なのだけど、ここは数少ない例外だったりもする。