古河庭園

 今日はそんなところに出かけた。ヒスイの巨大な原石と、ひたすらにぜいたくな石組みばかりが印象に残り、肝心の花をあまり見なかったのはご愛嬌。細部を見すぎだろうかと自問しつつも、同行した新婚夫婦ののろけオーラを気軽に受け止める。
 段丘面の上下をつないだ水の多い贅沢な庭園。でも関東ロームではありえない石の断崖が人の手によるものであると気づいたとき、なんとなくそれを作り上げた人間の業みたいなものも垣間見た気がした。

 この庭園の持ち主は、これを作り出すためにどれだけの人間を殺したのだろう。
 そんな妄想さえ浮かんだけれど、きれいだと騒ぐ観光客の人たちの見方のほうが正しいんだろうな、なんて思ったりもする。入ったとたん「なんだこんなにこじんまりしてるのかよ。金返せ」といっていたおっつぁんを見てため息をついたりもしたけど。